天育実験工房★幻想公開講座「超簡単!これでみんな輪郭の形が取れるようになる!」
● 本物そっくりに上手に描くには?
本物そっくり上手に描くには落ち着いてじっくりとよく見て描くことが一番大切です。そして良くないのは描き方で描こうとすることです。
それとじっくりと落ち着いてモチーフを良く見ないこと。
後それと落ち着いて画面を十分に見ないことが問題です。
私がここでわざわざ話をするのは、これらのことがあまりに知られていないからです。
そして、知られていないことから多くの問題が起きています。
画廊は上手に描かれている作品を特別な才能と歌って販売します。
幼稚園や小学校では描き方を教えてしまいます。
絵画教室なんかによくある図画工作のコンクール対策のメソッドも描き方を教えてしまいます。
子供達や幼稚園の先生、小学校の先生は誤解をして絵描き歌のような描き方があると考えてしまいます。
そして薄々特別な才能は実はないのではとも考えています。
上手に絵を描くことに特別な才能が必要ないと正しい認識を持たれるようになれば世の中の全ての人が上手に描けるようになります。 勉強ができない子もスポーツができない子も努力をするようになってくれれば上手に描けるようになります。
絵はみんなが上手に描けるようになったらとても大きな力を発揮するようになるのです。
その力はこれまで絵画の世界が積み上げてきた功績を一瞬にして吹き飛ばすほどの大きな可能性がある力です。
● 絵には絵にしかできないことがあります。
人の眼から見えたものはカメラのレンズで見た色と形とは違います。人の手から作られたものは3Dプリンターで作られたものとは違います。
人には人の感性と認識があるのです。 それを機械が同じように作ることはできません。 人は感性と認識によって物事を都合よく捉えています。 必要な情報のみを瞬時に読み取っていらないものを無視しています。 そのような選択は写真にはできません。現代で写真が信じられているのは人が感性と認識に対する理解がまだ薄いからです。 人間が眼で見る物事は写真ほど多くの情報を認識することはできません。 輪郭だけだったり、色だけだったりシンプルです 。個々の人のその瞬間の感覚と認識を踏まえた視覚を表現できる映像は写真にもAIにも不可能です。 それは絵にしかできない技術なのです。
● 最後に・・
美術予備校と絵画教室に来る人は全員誤解をしています。全員が描き方がある。そして特別な才能が必要だと考えています。
最初に来た人に面接をして話をするのは描き方ではないことと特別な才能ではないことについてです。 ここでしっかりと話をしておかないと大変な問題が起きてしまいます。
もっとも深刻で大きな問題は才能があると誤解している人の伸び悩みです。
ここに来るまでにコンクールで数々の輝かしい賞をとっている子と親御さんは特別な才能があると考えています。 そういった場合の多くは特別な才能はあるけれども描き方がわからないからリアルに上手に描くことができないと考えます。 そのため描き方を教わればその瞬間に描けるようになる。そして、才能がない人は描き方を教わっても描けるようにならないと考えます。 これは全くの間違いなのです。
特別な才能があると信じることによって強い自己肯定感を得ている子と親御さんにこのことをお話しするのは心苦しいのですが、話さなければずっと上達しないまま何年も浪人したり、どこの大学にも合格できなかったりする事故が起きます。 結果が出なかった時に子供と親御さんが考えるのはやはり才能がなかったのか?ということですが、それも違います。 違うと断言できる理由は才能を気にせずに努力をした人は大抵上手くいくからです。
と言ったようなことを長々話さなければならない困難な状況が美術とデザインの世界にはあります。 これが悲しいかな私の講座を取り巻く背景です。 普通に指導していればいいだけの世の中であれば良いのですが、そう右から左にことが進んでくれないのです。 今回の講座はただ、「正確な形を簡単に取れる」ただそれだけの話をしたいだけなんですけどね・・・やれやれです。