工芸科
工芸科の紹介
工芸科とは素材を選び、直接手で触れてものを作り出すことを学ぶ科になります。大学工芸科の講座を素材で分けると金属、陶磁、ガラス、漆、木工、染織の6講座が中心になってきます。大学による特色はありますが基本には日本古来の伝統技法と素材の特性などについて学び、そこから独創性のある創造に発展できる人材を育成することが軸にあると思います。また、工芸というと生活に身近にある美、実用品と思われがちですが現在はそれだけではなく様々な技法を生かしながら実用性にとらわれない創作にも力を入れています。芸術領域には絵画の平面表現と彫刻の立体表現がありますが工芸にはその両方の表現があることも特徴の一つと言えるでしょう。
工芸科の大学受験には学科の他に実技が必要です。実技試験は大学によって違いますが多くは鉛筆デッサンが基本となります。他に色彩構成や立体構成を加えた試験もあるので志望大学の受験内容を調べておく必要があります。
工芸科の大学受験には学科の他に実技が必要です。実技試験は大学によって違いますが多くは鉛筆デッサンが基本となります。他に色彩構成や立体構成を加えた試験もあるので志望大学の受験内容を調べておく必要があります。
工芸科とデザイン科の違い
工芸科とデザイン科の実技試験は同じ部分も多く予備校では一緒に勉強したりもしますが大学でのデザイン科と工芸科で学ぶことは違ってきます。デザイン科はデザイナーとして活動できるように工芸科は作家として活動できるようにカリキュラムが組まれています。デザイナーの仕事の多くは人のためのデザイン(設計)になりクライアントと呼ばれる発注側の要望に応じて発想し制作をするために複数の人が関わってきます。作家は自分を表現するため発想し、完成までの工程のほとんどを一人で行うことになります。工芸科とは自分の表現を最後までしたいと思う人にお勧めできる科ということになります。
卒業後の進路
工芸科卒業後の進路は作家の他にも企業に就職、絵本や漫画作家、教職、ブランド起業などいろいろな分野で活躍しています。上記では作家として活動できるようにと書きましたが近年では物作りのプロセスを知っている強みを生かした企業就職も増えておりファッション、プロダクト、メディア、映像、など方向性を早くから決めて準備をする学生もいます。
作家でやっていくには
作家として活動し生活していくには制作をする場と販売経路が必要になります。まず場(工房)ですが制作するカテゴリーやスタイルにより広さと設備が変わってきます。大きな作品を作りたいのであればそれなりの大きさの工房が必要となってくるでしょうし、小さな作品だけで良ければ小さい工房で出来るかもしれません。陶磁やガラスなどは窯、炉のような設備が必要になってきますし木工や染め、金属は鍛造・鋳造をするのであれば作業できるある程度の広さが欲しいものです。ジュエリー作家、漆作家、フェルト作家などは比較的小さなスペースの工房でも制作できるようです。機材などの設備は必要最低限なものからスタートし、少しずつ揃えていくのが良いと思います。作りたい物によって必要な設備が変わってきますので最初から特別な機材を購入しても使わないままということにもなりかねません。
自分のスケジュールで使うことは難しいですがカルチャースクールや大学の講師として働いている場合はその設備を使って制作することも可能かもしれません。
次に販売経路です。販売方法はいろいろとありますが大きく分けると百貨店やギャラリーなどでの店頭販売、フリーマーケットなどでの対面販売、そしてeコマースを使ったインターネット販売などでしょう。店頭販売にも「企画」と「貸し」があります。簡単に言うと企画は作品売り上げを一定の比率で店と分ける方法。貸しは販売スペースを借りる日数分を店に支払い、売り上げを分けない方法になります。またこういった期間販売の他にも店頭での常設販売もあります。そして企画の場合そのほとんどに審査があり誰でも出来るわけではありません。経歴、作品などから担当者が判断します。ですので自分のホームページを開設したり経歴書や作品のフォトブックを製作し展示会をしたいところに売り込みに行かなければならないのです。公募展などでの入選、入賞することも経歴として必要になってくることかもしれません。
フリーマーケットでの販売も近年人気が高く審査や抽選があるのがほとんどのようです。eコマースでは自分の店を立ち上げるか専門のオンラインショップと取引を始めるのかになります。
自分のスケジュールで使うことは難しいですがカルチャースクールや大学の講師として働いている場合はその設備を使って制作することも可能かもしれません。
次に販売経路です。販売方法はいろいろとありますが大きく分けると百貨店やギャラリーなどでの店頭販売、フリーマーケットなどでの対面販売、そしてeコマースを使ったインターネット販売などでしょう。店頭販売にも「企画」と「貸し」があります。簡単に言うと企画は作品売り上げを一定の比率で店と分ける方法。貸しは販売スペースを借りる日数分を店に支払い、売り上げを分けない方法になります。またこういった期間販売の他にも店頭での常設販売もあります。そして企画の場合そのほとんどに審査があり誰でも出来るわけではありません。経歴、作品などから担当者が判断します。ですので自分のホームページを開設したり経歴書や作品のフォトブックを製作し展示会をしたいところに売り込みに行かなければならないのです。公募展などでの入選、入賞することも経歴として必要になってくることかもしれません。
フリーマーケットでの販売も近年人気が高く審査や抽選があるのがほとんどのようです。eコマースでは自分の店を立ち上げるか専門のオンラインショップと取引を始めるのかになります。
工芸作家の現状
現在の工芸作家の状況は量販店の台頭、1990年代後半ごろより全国の大学に美術領域が開設され作家人口の増加もあり販売競争が激しくなっています。工芸作家としてだけで生活できる人は本当に少なく、幾代もつづく家系や政治・芸能などに強いコネクションを持っていたりすれば別ですが、ほとんどの作家は少なからず他の仕事もしながら制作をしています。これからはインターネット活用や海外展開など多角的な方法も視野に入れていくことが重要になってくるでしょう。
厳しいことも書きましたが自分の手で創造し展示発表することはとても楽しく魅力のある仕事です。これから作家になりたいという方には自分の進みたい方向性や展開などしっかりとした目標を持って邁進して頂きたい、そう願います。
厳しいことも書きましたが自分の手で創造し展示発表することはとても楽しく魅力のある仕事です。これから作家になりたいという方には自分の進みたい方向性や展開などしっかりとした目標を持って邁進して頂きたい、そう願います。