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実技試験

芸大美大入試には学科の試験とは別に多くの場合実技試験があります。実技試験は主に大学構内で行われます。一部の大学では地方から受験する受験生のために大学のある場所とは違う地方の主要都市で試験会場を設け試験を行います。

実技試験では課題が出されます。受験生は制限時間以内に課題に対する解答となる作品を制作します。

試験場で制作した作品はその場で回収され、回収した作品の採点は早ければその日に行います。

採点は多くの場合、10名程度の大学の教官によって行われます。採点の時は入試担当の教官が採点の方法や評価の仕方、出題の意図などを他の教官に伝達します。伝達された内容を踏まえて教官は作品を評価します。
与えられた評価によって作品は合格者作品と不合格者作品に選別されます。制作した作品が合格水準を超えれば合格です。超えていなければ残念ながら不合格となります。

作品には細かく細分化された点数がつけられますが、受験生にとって最も大切なことは合格か不合格かということです。細かな点差には補欠の繰り上がりの細かな順位をつけること以外に意味はあまりないと考えられることが多いです。形の狂いが1センチならマイナス10点で5ミリならマイナス5点といった具合に減点の方法を具体的に決めて点数化しているなら話は別ですが、あくまで実技作品の採点は作品の全体を鑑賞した際のバランスの良さを見て評価し、制作する受験生の側も全体のバランスにこだわりながら制作します。ワインの瓶の形の狂いを5ミリ修正したのでプラス5点。食パンの形が3ミリ狂ったのでマイナス3点になってしまったなどと考えながら作品を制作する受験生はいませんので、入試の後の成績開示の点数を見ても、細かな点数は全く気にしないで下さい。細かな点数を気にしていたら制作できなくなります。

芸大美大入試にはそれぞれの大学の科や専攻ごとに合格水準があります。合格水準は主に入試の倍率に応じて違います。クマビでは芸大美大の合格水準を示した指標が公式にはないため、クマビ内で活用する指標を作成し、クマビの生徒が入試倍率に応じた試験の難しさを数字で理解しやすいようにしています。 各大学の難易度

芸大美大の入試で合格水準を超える作品が制作できるように、入試までの期間は難易度に応じたトレーニングをしておくことが必要です。保育園~小学校~高校の図画工作や美術コンクールでは持ち前の才能だけで賞をもらえますが、それ以降の芸大美大入試では持ち前の才能だけでは殆どの大学に通用しません。

芸大美大の難易度S~Bまでの大学の実技試験は予備校に通って対策しなければなりません。
難易度C~Fの大学は高校でも美術の先生に熱心に指導していただければ合格できます。例えば多摩美術大学の油絵科では予備校に通わずに高校で熱心に指導して頂いて合格しています。高校の先生の中でも近年の芸大美大入試の動向を良く理解されて、高校で美術の先生が対策されることで十分に合格を狙えるように変わってきていることをご存じで、 自分の高校で時間を割いて対策をされている先生がおられます。
難易度Gの大学についてはトレーニングをしなくても持ち前の才能だけで合格する可能性があります。又、心身に障害があり実技試験のトレーニングをすることが困難な人の場合は芸大美大入試を戦うのは非常に難しいですが、難易度Gの大学については十分に合格できる可能性があります。

難易度の高い芸大美大に合格するには持ち前の才能を生かすために沢山制作して、能力を高め、感覚を磨くことが必要です。
予備校では難易度の高い芸大美大を受験する人を対象に指導します。指導では色や形に対する感覚を磨いて志望校の合格水準を越えることを目指します。水準を越えたらしっかりと志望校の出題の傾向と対策を行います。努力した結果、作品が本当に良いものであれば、予備校の先生が合格ラインを越えた瞬間にすぐに太鼓判を押してくれます。そうすればどこの大学でも絶対に合格します。難易度の高い大学に合格するために予備校で太鼓判を押されることを目指してトレーニングを積み重ねます。

余談ですが、東京芸術大学については絶対に受かるかどうかを判断できる予備校の先生は油絵科/日本画科/デザイン科/彫刻科それぞれで全国の予備校の先生の中で一握りの先生に限られます。東京芸術大学の対策に関しては、太鼓判を押す力がある先生の所で対策を取らなければ、自分が合格レベルに達した作品を制作したとしても、先生が合格レベルに達したことに気付かないため、生徒が合格の切欠を掴むことができずにズルズルと何年も浪人を続けることになります。そうなることを避けるために予備校選びはとても大切です。
芸大美大に合格するために

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