実技試験のない専門学校や推薦等で芸大美大を受験する人
最近は倍率の高い一般入試を避けて推薦入試で芸大美大を受験したり、入試のない専門学校に行く人が増えています。増えている理由は、倍率の高い芸大美大を狙って浪人して足踏みする無駄を省くこと。倍率の高い試験で家族に心配をかけないためです。専門学校の方が大学よりも就職活動に対するフォローが徹底しているということもあります。無理をせずに堅実に前に進む方法として推薦入試を利用して大学に行くことや専門学校に行くことは一般入試で無理をしすぎて失敗するケースを考えると得策だと言えます。但し、問題もあります。
スムーズに学校に入り、家族を安心させながらも、専門学校や推薦で芸大美大に入った後に学生が現実的に直面する問題は実力不足です。就職には様々な形があります。学校や学位で給与や待遇も違います。例えば2年制の専門学校を出ている人と3年生の専門学校を出ている人では初任給が1万円違う会社があり、4年生の大学を出ているともう1万円高くなります。給与以外に仕事内容も様々な形があります。
仕事内容は総合職/美術職/事務職/営業職などに分かれます。学生が希望するのは美術職です。専門学校の殆どが高い就職率を売りにしていますが、実際に美術職で就職しているのは学校で中間~上位のレベルの実力のある学生です。美術職といってもその中で様々な仕事の形があり、その中で本当に自分の入りたい会社に入って、やりたい仕事ができるのは一握りの学生です。その一握りの学生は年月をかけて実力を養成しています。時間をかけて努力している稀少な人材だからこそ企業や会社の求める一握りの採用枠に入れるのです。
会社にはランクがあります。一番上のランクの会社を親会社と言います。その下で親会社と完全に主従関係にある子会社。その下の孫会社、株式で連結されていないけれども関係性の深い外部の会社も含めるとさらにその下の会社がある場合もあります。親→子→孫+外部の関係が壊れることは稀です。親→子→孫+外部のそれぞれの会社に美術職はあります。一般的に難易度の高い芸大美大の学生が就職活動して目指す会社は親会社です。親会社の多くは大卒しか採用しません。又、東京芸術大学/武蔵野美術大学/多摩美術大学の派閥があり、後輩であったり、コネクションがなければ就職出来ない場合もあります。親会社では自分でクリエイトしたり、ディレクションする機会が増えます。逆に末端の孫会社や外部の会社になると親会社から子会社に下りた仕事からさらに下ろされた仕事になるので単純作業が多く、自分の好きなことができません。時間の制約も長く一説には専門学校から美術職に就職した半数が1~2年で辞めると言われています。一方で親会社は雇用条件も良く休みがあり、収入も安定しています。数年で辞職する人もいますが将来のことを見越した計画的な退職である場合が殆どです。さらに難関校を目指す人がきつい受験戦争を超えてまで一流大学に拘るのは休みや収入のことだけではなく、一度会社に入った後はその会社で上に上がれても親会社へのステップアップは再就職しない限りはできないからです。仮に東京芸術大学/武蔵野美術大学/多摩美術大学を出ていたとしても孫+外部の会社に就職した場合には親会社に上がることはできず、親会社に入った同期を尻目に親会社から下りた細かな作業をすることになります。
美術職で就職できなかった場合は美術職以外の営業などの仕事についています。学生の実力の差は専門学校や大学入学後に頑張った結果でつく場合と、もう1つは専門学校と大学に入る前にすでについている場合があります。例えば最近の専門学校では韓国や中国などからの留学生が増えています。韓国と中国の留学生の場合、母国で美大を出ていることが多く、美大を出ている留学生は日本の専門学校生とは比較にならない高い実力を持っています。彼らは語学等の問題がなければ順当に就職します。
自分が1番に行きたい会社でやりたい仕事をするには実力が不可欠です。できる限り進学後もクマビに通って基礎力を養成して下さい。余裕がなければ高校を卒業する迄の間だけでも実力を身につけるためにクマビに来て下さい。クマビでは芸大美大受験をしない人にもしっかりと力のつく指導をしています。
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