東京芸術大学神話
芸大美大受験の世界には古くから東京芸術大学神話というものがあります。東京芸術大学の受験倍率が長年高騰する要因の1つです。又、今の急激な倍率の減少の原因の1つが神話崩壊の序章とも見れるかもしれません。少子化の問題とあいまって、おそらく今後、定員が少なくなる以外は倍率が元に戻ることはないと思われます。20年前に50倍あった学科の倍率も今では20倍を切り、今後もさらに減少を続けます。かつては芸大美大を目指す多くの高校生が先生に芸大美大に行くなら東京芸術大学に行かなければだめだと指導されていました。確かにその根拠となることは当時は数多く見あたりましたが、しかし、最近では高校の先生の見方が変わり、殆どの先生が東京芸術大学への進学を強く勧めることを辞めました。理由は様々あり、慎重に言葉を選ばなければならない問題が多く含まれます。しかし、誰もが強く強調していたことが一変し、慎重な態度を示したことは芸大美大受験の世界では大きな変化と言えます。今は緩やかに正しい道に近づき、本来の芸大美大受験のあるべき姿が少しずつ見えはじめているような感じがします。
東京芸術大学に行かなければならない理由
かつての東京芸術大学に行かなければならない理由は次の通りです。
①西洋の作品の調査研究、文献の翻訳を行い情報を発信していた。
②歴史を台頭するアーティストは東京芸術大学の出身者が多かった。
③学費が安い。
④地方の大学にはずば抜けた実力の生徒がいない。
⑤就職活動に有利。
⑥ネームバリューが高い。
東京芸術大学出身のアーティストには岡倉天心/安井曽太郎/平山郁夫/佐藤忠良/福田繁雄/川俣正や村上隆がいます。日本で活躍している芸術家は音楽も含めると東京芸術大学の出身者が目立ちます。東京芸術大学の出身者が芸術の世界で活躍しやすい背景の1つが学費の安さと考えられます。私立大学の学費が年間200万円。東京芸術大学はその半分で済みます。東京芸術大学は学費が安いため、実力者は東京芸術大学に集まり、東京芸術大学に関しては3年程度毎日時間をかけて対策に取り組む受験生がいても普通ですが、他の大学には受験対策はかけても1年程度で3年かけて受験する生徒は稀です。芸大生は本来就職を志望する学生が全体的に少ないので就職の実績や就職率の数字では本来の価値はわかりません。但し個々の細かいケースを当たる東京芸術大学の学歴が有利に働いている事例が見えてきます。社会に出た後にネームバリューは確かな効果を発揮します。
東京芸術大学が倦厭される理由
①入試倍率が高すぎる。
②予備校の講師の場合、多くの予備校が1年間、生徒全員に指導したことが受験にまったく通用しない。
③卒業後に仕事にあぶれる卒業生が多い。
④どこから見ても実態が良くわからない。
⑤東京芸術大学出身者以外の人は東京芸大コンプレックスがあることが多く、強い劣等感を感じてしまう。
様々な要因が倦厭に繋がっていますが、不景気のため慎重な態度を示す人は増えています。倍率を見て受験を諦めたり、保護者の方に止められる生徒が増えています。合格する生徒が一部の予備校の生徒に偏っています。偏る理由は、大げさな例えですが、3000年様式の変わらなかったエジプト文明のように見方/考え方を変えないからと言えるかもしれません。実際に受験では首都圏/地方に限らず小規模/中堅予備校の殆どの予備校が手も足も出ていません。作家思考の生徒が多いため就職活動に力を入れておらず、卒業後に仕事につけない卒業生が多く、結果として美術に関係のない仕事につくことが多くなります。卒業生の動向を情報として収集し、公に公開するものがないため実態がわかりません。東京芸術大学を受験して断念した多くの人が高校の先生や専門学校の先生、子を持つ親になっています。芸大に行けなかった想いは当然強く、未だに劣等感に悩まされている人も大勢います。
東京芸術大学の実際
①大学院まで進む学生が多く、博士後期まで進んだ学生は大学の教員になるものが多い。
②時代を牽引するアーティストが東京芸術大学の卒業生であることが多い。
③就職活動に本腰を入れれば一流企業に就職できる確立は高い。
④大学側は作家として活動していく卒業生はほんの一握りでよいと考えている。
大学/専門学校/高校/中学/予備校の先生に東京芸術大学の卒業生は多く、特に大学と予備校の講師に目立ちます。大学の教員に多いのは私立の大学は学費が高いために殆どの学生が大学院に行けないこと。予備校は第一志望の東京芸術大学の受験指導が他の大学の卒業生ではできないためです。
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