経済的な問題について
芸大美大の費用は普通の理系/文系の大学以上にかかります。御家庭によっては様々な工夫をする必要が出てきます。工夫しだいではあきらめざるをえない状況を避けられるかもしれませんので、主な方法を紹介します。
下の表は熊谷美術研究所に1年間通ってから大学を卒業までにかかる費用を表にしたものです。
2022年12月作成 | 東京芸術大学に入学 | 多摩美術大学に入学 |
熊谷美術研究所の費用(4月夜間部入学/講習会全て受講した場合) | 965,000 | 965,000 |
共通テスト受験料 | 18,000(3教科) | 37,000(大学入試センター12,000+多摩美術大学25,000) |
受験料 | 20,400 | 35,000(1学科につき) |
大学1年次の初年度納入金額 | 1,246,020 | 1,939,000 |
大学2~4年次の3年間の合計金額(1年間) | 1,928,880(642,960) | 4,857,000〜4,950,000(1,619,000〜1,650,000) |
合計 | 4,178,300 | 7,833,000〜7,926,000 |
国公立の大学は年間100万円程度。私立の大学は200万円程度かかります。表に書かれている以外に交通費/画材代がかかります。予算をオーバーしている金額に応じて対策を考えます。
<予備校でできる工夫>
・熊谷美術研究所には中学生以上対象の特待生の制度があります。
・熊谷美術研究所には中学生以上対象の奨学生制度があります。入学と受験の意思をはっきり示して頂いて事情と状況を詳しくお話頂ければ検討の上で受講料金を割引致します。
・休み期間中にアルバイトをする。極力避けたい所ですが、高校3年生の受験を目指して高校1年生からアルバイトをして美術予備校に通う費用を作ります。実際に自分で美術予備校代を作って東京芸術大学に現役合格した教え子がいます。
<様々な制度を利用する>
チャンスフォーチルドレン
リンクはコチラ→公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン
・経済的困難を抱える子どもたちに学習塾や習い事、体験活動等で利用できるスタディクーポン(年額15〜30万)を提供し、教育格差の解消を目指している団体です。
・予備校も対象です。
日本学生支援機構
リンクはコチラ→JASSO
○返済不要給付型
・世帯収入の基準を満たしていれば、成績だけで判断せず、しっかりとした「学ぶ意欲」があれば支援を受けることができます。
※世帯収入とは夫婦共働きであれば合わせた金額で、子供がアルバイトで収入を得ていればそれも合わせます。
・給付型奨学金の対象となれば、大学・専門学校等の授業料・入学金も免除又は減額されます。
・大学等へ申し込むことで、最大で年間約70万円の授業料の免除・減額を受けることができます。
支給月額上限
自宅通学/自宅外通学
国公立 29,000/66,700
私立 38,000/75,800
免除・減額の年額
大学入学料/授業料
国公立 約280,000/540,000
私立 260,000/700,000
世帯収入に応じた3段階の基準
年収〜300万までは上限額
〜400万まで上限額の2/3
〜460万まで上限額の1/3
○返済必要貸与(たいよ)型
国内の大学・短期大学・専門学校・専修学校(専門課程)および大学院で学ぶ人を対象とした奨学金には、利子の付かない第一種奨学金と、利子の付く第二種奨学金があります。これらとあわせて入学時の一時金として貸与する入学時特別増額貸与奨学金(利子付)があります。
「返済問題について」
・大学卒業後に返済できない人が多いことが度々問題になっていますが、経済的な問題で学業が困難な場合は利用した方がよいと考えます。
・美術系の難関校を出て返済している卒業生で4%程度の人の返済が滞るといいたことがあるようですが、普通は健康を害したりせず問題なく働いて収入を得ているので返済できています。
・クマビの講師の場合、大学在学中に300万円借りました。今は問題なく完済しています。
・クマビからムサビ、多摩美に進学する人のほとんどが利用しています。
・芸大美大に通うことを断念しようとしている人の多くは日本学生支援機構を利用することで解決しています。
日本政策金融公庫
リンクはコチラ→国の教育ローン
・100%国が出資しています。
・受験費用や予備校費用がない場合に利用することができます。
・上限350万円まで借入可能、固定金利 年1.95%、最長18年の長期返済で受験前でも申し込み可能です。(2023年現在)
生活福祉資金貸付制度
リンクはコチラ→厚生労働省
・低所得者や高齢者、障害者の生活を経済的に支えるとともに、その在宅福祉及び社 会参加の促進を図ることを目的とした貸付制度です。苦学生への貸付を行っています。
東京芸術大学の授業料免除
・片親もしくは両親がいない御家庭は免除が受けやすくなります。
・東京芸術大学の場合、3浪以上でもJASSOに申し込む等の手続きをすれば独自の授業料免除制度が受けられる場合があります。(2023年現在)
2023年度の募集要項には次のようにあります。
高校の卒業年度等を理由に、上記1の修学支援新制度の支援対象とならなかった者(※)に対し、芸術教育の機会均等のための授業料免除制度があります。
修学支援新制度の申請資格があるにも拘わらず申請しなかった者は,本学の独自制度の対象となりませんので、注意してください。(2023年度東京藝術大学募集要項抜粋)
修学支援制度
リンクはコチラ→文部科学省
・給付奨学金、授業料減免制度です。
・対象は高校等卒業者3浪まで高卒認定試験合格者は6浪までです。(2023年現在)
・国が経済的に困難で修学に意欲 のある学生を対象に, 質の高い教育を実施する大学等で修学することができるよう支援する制度です。