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採点の仕方

倍率の高い難関校と倍率の低い大学との採点の仕方の違い

実技試験当日までの間に1年間、又それ以上の期間、難関校を受験する受験生は時間の許す限り毎日実技の対策に取り組みます。難関校に正規合格する受験生は当然ながら十分な基礎力を身につけています。それに対して難関校以外の受験生は基礎力にまだまだ問題が見られます。実技の対策に取り組んだ時間が短いため、まだまだ発展途上の状態で受験に臨みます。基礎力を十分に身に付けている受験生が定員の人数を遥に上回って受験している難関校は基礎力を基準に優劣をつけて採点することが可能です。一方、基礎力を十分に身に付けている受験生の人数が定員に満たない状態で採点する難関校以外の採点の場合は基礎力以外の見方を導入して採点する必要が出てきます。これが難関校とそれ以外の大学との採点の違いとして大きく表れる点です。例えば定員割れする場合は殆ど全ての受験生が合格します。作品では評価することができず、健康状態など実技以外が問題になります。
難関校については従来のイメージとおりですが、近年の受験生で難関校以外を受験する人に注視して欲しいのは倍率の低い大学の採点の方法です。

合格するために~定員割れを回避しようとする入試の性格に触れる~

採点の2つの型

採点方法には大きく分けて2つあります。採点の2つの性格を、クマビは物事の形を作り上げる時の2つの設計の型の考え方を表す2つのクマビの造語にあてはめて説明します。1つ目はギャランティー型です。これは大学が合否の水準をあらかじめ決めて判定する方法です。もう1つはベストエフォート型です。一般的には最大努力型と言われるこの方法は受験した学生の力量に合わせて合格水準を決めます。定員割れを起こしそうな時に全ての受験生を合格させる型はベストエフォート型です。

ギャランティー型

ギャランティー型は大学側が予め設定した合格水準を下回る受験生は合格できません。そのため一般入試でギャランティー型を採用した場合、合格水準に達している受験生を絞り込んで定員を下回れば定員割れをおこし、欠員が生じ、大学は損失を受けます。一般入試では今の所ギャランティー型を採用している所はありません。一部の推薦入試でみることができます。ギャランティー型を採用する大学のメリットは受験レベルを確保することです。これまで学生の質を支えてきた一般入試ですが、今後は受験倍率が定員を2倍を切った辺りから、大学は推薦入試などの特定の定員枠で学生の質を支える必要性が増し、ギャランティー型は今後受験生のレベルを維持するためにクマビは増えてくると予測しています。

一般入試は軒並み減少の一途を辿っています。入試の仕組みによって何らかの手立てをこうじるとするなら、授業料の安くなる特待生クラスを設けるなどが考えられます。東京芸術大学が高い倍率になる第1の理由が学費の安さです。仮に東京芸術大学の授業料が私大と変わらない年間200万円程度になれば倍率は多摩美術大学のグラフィックデザイン科と武蔵野美術大学の視覚伝達デザイン科と横並びまで下がります。

ベストエフォート型

最大努力型と言われるベストエフォート型の設計思想をクマビでは欠員が出ないように最大限に受験生を確保する一般入試の考え方にあてはめ、受験生にわかりやすく表すための表現として使っています。芸大美大の一般入試では合格水準をその年の受験生に合わせて設定しています。その年の受験生に合わせて合格水準を決めるので定員以上の受験生がいれば定員割れを起こすことがありません。そのかわりに受験倍率の低下と比例して合格水準が下がります。合格水準の低下の度合いは主に受験生全体の中にボトム層の生徒がどの程度含まれるかで決まります。例えば近年の私大の入試では殆ど実技の訓練をしていない受験生からも合格し、そういった合格者の割合は年々増加しています。受験倍率2倍を切るボトムラインが裾野を広げ、各大学がパイを増やすために新たな科を新設しているのでボトム層の広がりに拍車がかかっています。私立の美大では学生のレベルに大学や科ごとの差がなくなりつつあります。大学に関係なく学生の力が平均化し、芸大美大受験産業全体でボトム層の人数の割合がトップ層の減少と反比例して増え続けている今日、芸大美大は、ある程度の生徒数確保の手立てとなっている「地の理」以外の何らかの価値を見い出し、付与することを考えなければなりません。美術予備校クマビとして受験生に向けて言っておかなければならないことは、多くの私大が従来のイメージ以上に合格しやすくなっているということです。

芸大美大に合格するために
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