良い仕事をする世界
美術やデザインの世界は世の中のために良い物を作ったり、良い仕事をする世界です。自分自身が美術やデザインに感動してきたことと同じように、自分の仕事で人に感動してもらえるように頑張って仕事をします。世の中が良くなったり、感動することにこだわる世界では、多くの人が地位や名誉、お金には必要以上に興味がありません。地位や名誉、お金に強い興味がある人は東北の震災のことなど、災害で苦しんでいる人のことを想い、考えて見て下さい。地位や名誉、お金に対する興味は払拭されると思います。世の中には地位や名誉、お金意外にも大切な物事がたくさんあります。大切な物事と向かい合って仕事をする世界が美術の世界です。そういった世界であるからこそ努力をして道が切り開かれます。逆に地位にばかり目がいく人。名誉にばかり目がいく人。お金にばかり目がいく人は美術の世界にもいますが、本質的には向いていないように思います。
美術をはじめる前の皆さんは美術に大きな夢を持っているはずです。その夢は世の中の役に立つカッコいいものだと思います。カッコいいもののイメージを露骨に人に言う必要はありませんが、美術の道に一歩踏み込んだら道を踏み外すことのないように気をしっかり持って、夢を生涯忘れず、途中で志を見失わないようにしてください。その場しのぎをして小さく生きるなら美術の道ではなく、最初からもっと堅実な道に進んだ方が良いはずです。
美術の道は人の作った道です。学生の間は夢をあきらめずに前に進んだ先輩の築き上げた道を歩きます。社会に出た後は身につけた感性や柔軟な思考、豊かな想像力、強靭な精神を生かして、先輩の作った道を歩くのではなく、自分で道を考え、時として先輩の作ったものを壊し、皆さんの手で美術がこれから後の未来へと続き、つき進むために必要な「新しい道」を切り開きます。
美術の道に入る前の皆さんに最初に伝えておかなければならないことは、自分が大きく成長するために我慢して「自分のネガティブな面を抑えて辛抱すること」「自分のポジティブな面を徹底的に磨くために真剣に頑張ること」が大切だということです。これが出来ない生徒がとても多く、多くの生徒は才能などではなく、これが足りないことで伸び悩み、気が付かないまま夢を諦めます。これからもし皆さんが美術の道に進めるようになった時は辛抱して真剣に頑張ることを徹底して下さい。必ず良い結果が出ます。
美術に進むための処方箋