スポットの当たらない受験期
スポットの当たらない受験期
日本にはアフタードクター問題というものがあります。アフタードクターとは大学を卒業した主に博士課程を出た研究者が大学を出た後すぐに収入を得る職場につくことが困難な状況があり、就職出来るまでに年月がかかることをいいます。
一流大学を出ていて、将来大学教授になるようなエリートが、大学を出た後に食べていくことができないというのは研究者に助成しない日本独特の世にも奇妙な状況です。
芸大美大を卒業した後は作家やフリーのデザイナーを目指す学生が多く、一般大学のアフタードクターと同じような状況が生じます。
芸大美大受験予備校はというと、もともと東京芸術大学の主に助手や博士過程を出た後の学生が、大学から離れた後に生活していくために作られたものでした。自分で運営資金を工面して予備校を立ち上げる人もいますし、中学高校に画材を下している画材屋さんにスポンサーになってもらうケースや不動産関係者が目立ちます。現在では様々な大学を卒業された方や大学を出ていない方でも芸大美大受験予備校(美術予備校)を立ち上げて運営されています。
もともと作家やデザイナーとして形になるまでの期間の生計を立てるために運営されている芸大美大受験予備校(美術予備校)とその働きは公の研究機関の研究対象になりません。
そのため芸大美大受験そのもののあり方やその中で行われている指導のあり方、存在価値などは公では議論されておらず、すべての判断は個々の予備校の独断になります。
近年の芸大美大受験は少子化と不景気の影響によって受験生の減少が止まりません。このまま行けば統合される学部が増え、中には経営破たんをおこす大学も出てくるかもしれません。今の所日本で経営破たんした大学はわずかですが、芸大美大でも数年後には本当に危ない状況に落ちる大学は出てきます。
受験生の減少を止めるのは大学本来の価値をしっかりと公に示すことです。そして芸大美大受験のそれぞれの大学の価値を納得のいく形ではっきりと示すこと。今の芸大美大は一部の学費の安い公立大学を覗く殆どの大学がそれぞれの大学の価値を示すことができずに、芸大美大受験をする受験生の減少に比例して受験生を減らしています。受験生の減少に合わせて受験倍率も減少するのは考え方によってはとてもおかしな現象です。大学入試自体と大学に価値があれば受験生は下げ止まります。しかし、入試に価値を見い出し、大学に価値を見い出すことができなければ受験生は下げ止まりません。
現在の入試は受験生が受けやすいようにするために殆どの大学が他の大学と入試の内容を合わせています。難関校はそれでもメリットがあると考えられますが、受験生の少ない大学や学部は考えものです。
受験対策には学生の将来を決定づける大きな価値や意味があります。
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芸大美大に合格するために