JR熊谷駅北口徒歩15分
営業時間 9:00〜22:00

048-578-8177

「あきらめた後」のことについて少し考えてみる。

これから美術の道に進もうとする人にとって美術の道で夢を追いかけて仮にあきらめた場合自分がどうなるか気になるところではないか?と思います。余計な足踏みを懸念して、心配をせずに飛び込めと考える人もいると思いますが、一度考えることは大切だと思います。ある程度考えて見てからは余計な心配をするのは本当に辞めましょう。

美術の世界の人ではない皆さんにとって、あきらめた後のことは想像の域をでないので具体的にわからないと思います。わからない所で想像力を働かしても良い知恵が思い浮かぶことがあっても実際の問題がわからないので通用する確信が得られません。なので、ある程度の判断材料になるように具体的なことを上げてみたいと思います。

あきらめた後の展開には次のようなものがあります。
・指導者のなる(絵画教室 カルチャーセンター 予備校 中学 高校 幼稚園 大学の助手)
・イラストレーターになる
・デザイナーになる
・実家を継ぐ
・一般の職業に転職する

指導者になる

「指導者になる場合・・・絵画教室」
絵画教室は自分で経営する場合と雇ってもらう場合があります。自分で経営する場合は自宅を開放する場合が多く、自宅を使う場合は、近隣の子供や大人、受験生を頑張って集めればある程度生活できる位の収入を得ることが可能です。スペースを借りて経営する場合は何か強みになることがなければ収入を得ることは難しいでしょう。ちなみにこのような偉そうなことを書いておきながらクマビは赤字です。

「指導者になる場合・・・カルチャーセンター」
カルチャーセンターは絵画講座の場合、頑張っている人は年収300万円程度稼いでいる人もいます。月謝の取り分を50%にしている場合は生徒が20名集まれば1時間に1万円稼げます。但し、全般的には宣伝活動をするのがカルチャーセンター側ということや辞めていかれる生徒さんを如何に継続させられるかという問題は難しく生活できるという所までの収入を得るのは難しいです。

「指導者になる場合・・・美術予備校」
美術予備校は専任講師の場合は年収1000万~250万円程度です。但し全般的に少子化の影響で専任の雇用は減り、報酬も減っています。少ないケースですが高い場合は1時間に6000円程度。殆どの予備校が時給1500円から3000円程度です。非常勤講師の場合は時給800円から3000円程度です。

「指導者になる場合・・・中学と高校」
中学高校は専任講師になれれば安定した年収を得られます。専任講師になるには公立の場合教員採用試験に合格しなければなりません。私立の場合は多くの場合コネクションが必要です。非常勤講師の場合、全般的に1校5万円程度です。沢山授業を受け持てる場合は月収20万円程度稼げる場合もあります。

「指導者になる場合・・・幼稚園」
幼稚園の先生とは幼稚園の課外授業の図画工作の先生です。課外授業の先生は美術の系の学校を出ていない人でもなることができます。ちなみに大学で専門的な幼児教育の指導方法を学んでいる人は教育系の大学か保育士の大学、一部の幼児対象の学科を有する美術大学を出ている人です。幼稚園の課外授業で得られる報酬は月謝制の場合、その課外授業に参加する幼児の人数で変わります。月謝の殆どが先生の報酬になります。月謝の相場は5000円程度です。課外授業に参加する幼児の数が50名以上の授業もあれば、少ない場合は数名の授業もあります。

「指導者になる場合・・・大学の助手」
大学を出た場合は大学にもどって助手や副手になることがあります。私立の大学の場合は毎月の給与に加えボーナスが100万以上でる大学もあります。公立の場合は十分に生活できながらも金額的には私立よりも少し安いようです。大学の助手をするメリットには2つあります。大学の設備が使え、空いた時間に制作ができることです。もう1つは大学の非常勤講師の経歴が履歴書の加わるので自分の研究の成果や作品の評価次第で大学の職員への道が開かれる可能性があることです。

イラストレーターになる

イラストレーターとは書籍/雑誌/ポスター/パンレット/説明所/図鑑等の出版物。ゲームやWEB。看板/壁画などの内装。キャラクターデザイン。絵本。パッケージなどの絵を描く仕事です。幅広い世界なので自分に合う目標を探しやすい反面、ライバルも多いので、仕事を得るためには人の繋がりを大切にしたり、見本となる作品を沢山描いてポートフォリオ(作品集)をしっかりとつくり、出版社やデザイン事務所を回ったり、駆け出しのころは経歴を上げるために知り合いなどに頼んでボランティアで仕事をさせてもらうなどの努力が必要です。イラストレーターの年収は全体的にはけっして高いものではありませんが、十分に生活出来ている人もいますし、一握りの人は成功して沢山稼いでいます。誰もが見たことのあるようなイラストを描ければ沢山稼ぐことができます。

デザイナーになる

デザイナーとは主にフリーでホームページを作るWEBデザイナー。チラシ/パンフレット/ロゴをデザインするグラフィックデザイナーです。需要は多い反面ライバルが多く、仕事を得るために営業をしたり、人脈をつくるために一度デザイン事務所に就職したり努力は必要ですが十分生活につながる仕事です。

実家を継ぐ

実家が自営業であれば駄目だった場合に実家を継ぐことが保険になります。但し、そこに甘えが出ないように気を引き締めましょう。

一般の職業に転職する

一般の職業に転職する場合について考えます。美術の世界は途中で疲れてあきらめて公務員などの道に転職する人が多く、現実の厳しさは十分わかるのでそれを攻める気になれません。ただこれから美術の道に進む人に伝えたいことがあります。

「達成感」
漫画家でテレビでアニメが連載までされた人でも漫画家を辞めて安定した仕事に転職されることがあります。漫画家の多くは漫画を1本描いただけでは一生食べていくことはできません。そのため連載のためにペンネームや画風、出版社を変えて漫画を描き続けていきます。漫画家の中には1人で5つ以上ペンネームがある人もいます。これから美術の道を目指す皆さんに伝えたいのは、仮に転職をして一般の職業に職を変えたとしても、自分の描いた漫画が連載されて単行本が出て、テレビで放映までされたら他では例えようのない幸福感と達成感を感じるはずです。
皆さんに伝えたいのは、仮に将来美術の道を降りることになったとしても、この世界であきらめなければ夢がかなうということと、チャンスを与えられたことに感謝し結果を出すために一生懸命頑張って欲しいというです。転職して一般の仕事につくことになっても美術の世界で1度出した結果は自分の中で消えることはありません。世の中には仕事に「達成感」「幸福感」を必要以上に求めるのではなく無難な道を選んだり、選ばされたりする人が大勢います。そういった人には感じることのできない幸せを得るチャンスが美術の中にはあります。もしあなたが美術の道に進むことが許されたのなら決して後悔のすることのないよう必ず結果を出せるように頑張って下さい。
美術に進むための処方箋

トップへ戻る