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難病~てんかん

美術系の学校の中にもてんかん等の難病を抱えた学生がいます。てんかんを抱えた学生自身が問題にしていることは、てんかんによる発作が学生生活へどのような影響を及ぼすかということ。症状が重い場合は本当に仕事に結びつくのか?ということが心配です。美術の仕事の中にはてんかん等の難病であっても程度によって問題なく仕事になる職業もあります。
病気がてんかんである場合は車を運転する仕事や高所や重機を扱う危険の伴う仕事はできません。但し、自宅のアトリエや会社の自分のデスクで制作を続けるデザイナーなどの仕事は問題なく仕事ができるはずです。会社によってはてんかん等の難病を抱えた人を採用しない所もありますし、問題視せずに採用する所もあります。
クマビの小平先生は舞踏アテト―ゼという難病です。舞踏アテト―ゼとはてんかんに似た発作が起こる病気で、椅子から立とうとした時や走り出そうとした瞬間に半身や全身の筋肉の硬化やねじれや脱力など付随運動がおきます。30歳を過ぎるあたりから症状がなくなると言われており、実際に小平先生も30歳頃から発作がでなくなりました。美術の道を目指して受験勉強をしていた時期は多い時は1日に数十回も発作が起き、発作の度に日に数十回地面に倒れ込んでいました。症状が重かった時は中学生から高校生まででしたので将来の進路に悩み、車の運転や肉体労働などを選択肢から外さざるを得ませんでした。美術の仕事はというとおそらく部屋にこもって制作するスタイルの仕事が中心なのでほぼ問題はないだろうと考えましたがやはり正解だったと思います。舞踏アテト―ゼは動き始める瞬間に気をつければ良いので、問題があるのは先生に呼ばれた瞬間にすぐに立ち上がれない(5秒程度かかります)やリレーなどでスタート時にすぐ走れない程度で、当時はその時に怒られれば済む話しでした。その後高校を卒業してから舞踏アテト―ゼはくしゃみを我慢したりあくびを出ないようにするように発作を抑えられることに気付き、様々な方法を試した結果、動き始める前に肺の中の空気を全て吐き出すことによってほぼ発作を抑えられることに気付いてから発作をほぼ完全に抑えられるようになりました。小平が発作に悩んだ時期は舞踏アテト―ゼという病名は病院の先生も知りませんし、私自身、やっと病名がわかったのは最近です。なので発作の激しかった中学と高校の頃は病院の先生以外には誰にも信じてもらえないと考えたので発作のことを話したことはありませんでした。
ここからはてんかんや難病を抱えた学生に向けた処方箋です。結論を先に言うと「病気のこととその対処方法を周囲に話した方が良い。」又「病気のことを話せる学校や職場を選ぶ」ことです。しっかりと話しておけば、発作が起きた時の適切な対処を事前に考えることができます。何より、周囲の人は発作を起こした時の対処に慣れていませんので、発作が起きた時のための心構えをする時間の猶予が得られます。学校では中には心ない先生がいることもありますし、てんかんや難病の場合は採用しない会社もあります。ただ、こころある対応をしてくれる学校や会社があることも事実です。無理をして病気を隠して後ろめたい気持ちで過ごし、発作が起きる心配をしながら生活を送るよりも最初から病気のことを話して自分にとって最も良い方法を探っていった方が良いと思います。

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