私が美術系の学校を辞めた理由
ここ数年美術系の学校を辞めた/休学したという相談件数が増えています。話をしてみるとどれもなるほど起きて当然だなと思うものばかりです。当然と思うと同時に頭によぎるのは情報がないから。特にネガティブなことについてどこの学校も出したがらないので情報がなく、必然的に起きている問題だなと感じます。学校が本当に良いもので有り続けるにはネガティブなことについても真摯に生徒のことを想い情報として公開するべきでしょう。
近年美術系の学校はどこも楽しそうで卒業後も安全、安心なイメージをよく売りにしています。でも実際には離職率が異常に高かったり、退学率が異常に高いということがあります。そもそも美術系の就職先の多くはとてもハードでホワイトな企業はとても少ないです。そういったことは高校生までの間にしっかりと理解させておくべきだと考えます。
実は美術系の学校の生徒は、「こんなはずじゃなかった」や「なんか違う」という強い印象を抱く人が大勢います。
「こんなはずじゃなかった」という場合が顕著なのは就職したはいいもののブラック企業だった場合。専門学校とFランクの学校から就職した生徒に多いです。私の所に良く耳に入るのは専門学校やFランクの学校に簡単に進学した生徒から退職したという話です。私としては予備校にいる時にすでに想定していたこと。
「なんか違う」というのは受験勉強をせずに、努力などの様々な問題との折り合いをつけずに進学した生徒に多いです。努力をして来なかった場合、この世界の仕事なら楽しくできるかもしれないと考えてやってみたは良いものの楽しくなく「なんか違う」ということになることが多いです。これについては推薦入試で大学に入った生徒。そして、これは私の反省点でもありますが、私の所には事情を抱えて学びに来る生徒が多いので最短距離で難関校に合格できる指導をしてから入学した生徒に起きてしまうことがあります。
進路指導の際に悪気があって話をする先生はそういるものではありません。しかし、多くの先生がネガティブなことを知っているのも事実。特に大学、専門学校、予備校の場合は知り得ているはずです。そして高校の先生が実は全く知らないということが本当に多い。これは高等教育機関が情報を出さないから。本当の意味で相談者を思うならネガティブな話もするべきです。