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忖度ハザード

私が考えるに美術とデザインの世界で最も早く瓦解することは美術とデザインの中にある「忖度」です。
それは「自由にのびのび」という「忖度」
皆さん何となくピントきますよね。
つまり、「自由にのびのび」は美術とデザインの権力者に対する「忖度」です。

そして、最近流行った「忖度」ですが、実は美術とデザインの世界には日本だけでなく世界的にこの「忖度」があります。

それで世界中の「自由にのびのびの忖度」をなくすには日本語の「忖度」の概念がぴったりです。
「自由にのびのびの忖度」を無くすために世界中の人に教えてあげるといいと思います。
そうすることで何となくモヤモヤしている世界中の「自由にのびのびの忖度」の正体が浮き彫りになります。

そろそろブームが過ぎ去ろうとしている「忖度」ですが、「自由にのびのびのの忖度」としてもう少し頑張ってもらいたいと思います。

クマビが発信する熊谷から世界へ。「Japanese sontaku」
o-mo-te-na-shi
みたいに、東京オリンピックでは
so-n-ta-ku
を世界のために広めるといいと思います。

それを機会に世界中の人に美術の「自由にのびのび」について一度考えてほしいと思っています。

改めて、一緒に考えるために皆さんに質問します。
「美術とデザインの世界は大人が皆んな言う通り自由にのびのびしていい世界ですか? 」
・・・。

そうですか、いいんですね・・。そうですよね、学校だとそう習いますよね。
あ、あなたはダメなんですね・・。
そうですか❔結構そういうことありますよね。

ちなみに私は、自由にのびのび・・。ん〜どこが❔どのように・・・?

んん・・・。 どこからどう見ても「自由にのびのび」ではない・・です。と思います。
私は47歳ですが、やっと最近になって「自由にのびのび」できるようになってきたという感じです。しかもこの文章を読んでいただいてわかるように、かなり強引に自由にのびのびして、はじめてできる、高難度の荒技です。

つまり「忖度」しない。という態度をとるには通常は相当なエネルギーが必要なのです。

「自由にのびのび」ですか・・。どうぞやってください。それとやらせてみてください。ものすごく難しいですよ。イバラの道ですよ。
でも、どうぞ。世の中の皆さん、だいたい皆んな「自由でのびのび」だと言われますよね・・・。だからどうぞ。
是非是非。

「自由にのびのび」なんてとんでもない。
そんな甘い世界ではないです。

自由にのびのびという風にイメージするのは幼児教育の関係者に多い感じかもしれません。実際には制約があるけれどそれは暗黙の了解というか。
幼児たちの「忖度」によって成り立っていることだと思います。
後、同様のイメージは中学と高校では教育系の美術の大学を出た先生に多いです。

私は東京藝術大学を出ていますが、自由にのびのびというのは芸大受験を経験している人間の中には極端に少ないですね。
極端に少ないけれど「自由にのびのび」という建前を大切にしなければという空気はあります。実際は雁字搦めでも「自由でのびのび」です。と「忖度」しなければなりません。

芸大の入試は制約だらけで、「忖度」の中で、眼に見えない制約を如何に見抜いて、その中で巨大な競争の壁も見抜く。そしてそれを超えられるか。
つまり、アーティストとはうまく「忖度」しながら本質を見抜くゲームができる透視者でなければならないのだと私は考えています。
アーティストの「忖度」で磨いた透視の力は世の中の「忖度」の問題を駆逐することに役立ちます。なので、これまで「忖度」に注いできた力は「脱忖度」のために生かすといいと思います。

「自由でのびのび」・・・でも実はその中に目に見えない制約と競争の原理があるんですね。・・で本当に自由にのびのびやろうとするとそこをはっきり見極めなければならなくなります・・。

ただ、問題は「自由でのびのび」という言葉で引き寄せられる人たちは制約なんか全く気にしないで、競争なんかしないでのんびり過ごしていいんだと受け取ります。殆どの人がそれで構いません。というのは発信者の美術の側がそれを推奨しているのですから。でも、美術の世界に足を踏み入れようとする人の殆どは実は制約と競争を見抜かなければ仕事にならないんですね。それが盲点で、美術とデザインの世界で沢山の問題が起きています。

ただ、後、矛盾するようですが、美術とデザインの世界で「天才」を目指そうとするなら、本当に「自由でのびのび」を貫いた方がいいと私は考えています。これについてはとても長い話になるので後日改めて詳しくお話しします。
簡単にいうとイバラの道です。 

美術の中には「制約と競争」があります。
「自由でのびのび」という言葉から連想される楽観的なほんわかした雰囲気とは真逆の世界です。
マニエリスムなんて考え方もありましたしね・・・。
芸大だと油絵科の中には完全に自由にのびのびで合格する人は稀にいます。

芸大美大受験だとFランク校だとか推薦で大学に入った人は自由でのびのびという感じの人は多いですね。
美術予備校から傍で進学を見続ける時は心配になります。卒業後も傍で見ながらやっぱり・・・。と残念ながらなることが多いですね。でも中には正解もあるんです。
つまり、私が釘をさすのは卒業後の生徒を追っていくと絶望の淵に立つような後悔の仕方をする人がFランクを出た人に多いから。なのであえて生徒と先生方に嫌われるのを覚悟で釘をさします。後、本人はケロっとして親御さんが絶望していることも多いですね。一方で難関校を出た生徒たちから絶望的な話を聞くの少ないです。私の教え子の中で東京藝術大学を出た生徒からは私の知る限りいません。
嫌味を言いたいわけでもなく。よく考えて欲しいんです。

「自由でのびのび」という認識は実は美術とデザインの世界で、のびのびではないという人とのびのびという人の真っ二つに別れます。
細かい話をすれば真っ二つに割り切るにはいささか乱暴な複雑な構造の話なのですが、今回は事故のお話に絞るので割り切ります。

美術とデザインの世界はこの認識のズレによって多くの事故が起きています。
言葉では同じ美術でも内容がまるで違うのです。

色んな所で毎日事故が起きています。
話の続きはまた・・・。


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