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てんいく「進路相談ざらざらハザード」

私は美術予備校や絵画教室で美術系の学校や絵画教室に通おうとする人たちに入会前の相談で美術の話をしてきて20年になります。

これから美術の世界に足を踏み入れようとする人たちに少しでも役に立つ話ができるようにあれこれ考えて最終的に話します。
話はかなり選んで絞ります。

話を聞いてくださる生徒の状況をできる限り踏まえて、相談の場でも直感的にさらに絞り込んでその中の内容はできる限り何でも話せるように心がけています。
でも、ブレーキがかかって話せないことがあります。
実はこうなのになあ~と思いながらも話すのを控えなければならないことは、とめどとなく出てきてしまいます。

とめどとなくブレーキをかけようとする考えと、情報を伝えなければという焦りと葛藤しながら、そんなことに限って、他では情報を得られないとても重要なことだったりするで、話せないこと自体がずっと引っかかり、話せるタイミングをはかったり、突破口を捜したりしています。
ここでダラダラと文章を書いているのも突破口を探し出して考えながら書いているのです。
てんいくを書き始めた発端です。


美術の世界は負を前提とした正です。
つまり、これがダメだからこうしよう。
最初にこれが正しいという切り口から話始めるのが難しい厄介な世界です。
哲学的というか、考えてしまう世界です。

美術の世界には無数のマイナスイメージがあります。
無数の負を超えた先に正しい答えがあります。
正しい答えを表に押し出すためには無数の負のイメージを攻略しなければなりません。

美術のマイナスイメージとは、
美術の世界は食べられないとか、才能がなければとか、今の世の中に美術はいらないとか、いったことです。
実は美術の世界は食べていける世界ですし、この世界で食べていけるようになるには一定の努力が不可欠である実情を考えると才能は関係ありませんし、世の中に美術は不可欠なものです。

これらのポジティブな話を個々の生徒の都合や事情に合わせて話をする際に様々な負の壁を超えなければならないのです。

私は生徒の都合と同時に、学校の都合とか、美術全体の都合も考えなければなりません。
この話はこの生徒にはまだ早いんじゃないかといったことなんかもすごく考え、そうこうしているうちに話したくても話せないことが沢山出てきて山積みになり、これは知っておくべきなのに・・・という思いが膨らむと余計に話さなければならないことが頭の中にあふれ出します。

そのような私の心配をよそに生徒を取り巻く環境は刻々と変化しています。

生徒にとって少しづつ良い状況になっています。
特に大きく変化しつつあるのは、携帯電話で誰でも簡単に映像や音声や文書のやり取りが記録できて、インターネットによって情報を発信する場が開かれていること。
犯罪やパワハラやモラハラなどの現場ですら記録して公の場に訴えることが可能になったことは今や誰もが認知していることだと思います。

インターネットによる目紛しい社会の発展をよそに、権威の壁に覆われた美術は閉鎖的であるがゆえに、美術は今だに社会から市民権を得ていないと私は考えています。

なので、今日は美術が市民権を得ることを目指してあれこれ考えるお話です。
あれこれ考えるにあたり、美術の内部の人間を権力者、美術の外の世界の皆さんを市民と表現させていただきます。

これまでは暗黙の了解で弱者の懐に収めて我慢せざるを得なかったことの多くがネットの力によって我慢する必要がなくなりつつあります。

ネットによって権力者と市民との権力差を生む壁が瓦解し、特に閉鎖的で権力が極端に1点集中していた美術の世界はこれからますます劇的な変化を遂げていくと私は考えています。

権力差の壁が瓦解すれば、みんなが美術を同じ目線で見れるようになり、人や作品を自分に引き寄せて冷静に捉えられるよう変わり、美術は市民権を得ると予想しています。
現在の美術は社会の皆んなが自分に引き寄せて捉えていません。
距離を置かれています。
それは権力者が権力を誇示し利権を守るために市民を遠ざけているからです。

美術が市民権を得るに至るまでには、今のポンコツ権力者はその非力なポンコツ力を駆使して自分の財産を守るために全力で阻止してきます。
平成末期の日大アメフト部の監督のように。
また、z○z○のように。でも断末魔の叫びとともに彼らのお粗末な野心はなすすべもなく崩れ落ちるでしょう。
なぜならば実は力がないからです。

なので今はみんなが何も怖がることなくネットに情報を上げていくべきです。
美術の世界の権力者は「天才」「才能」などの実は実態のない言葉で作られた幻想で守られているので、超人的なすごい力があるような気がするだけで実は蓋を開ければ情けないくらい何の力も持っていません。

そうすれば、私も一応ポンコツ権力者の端くれなので、私が今の立場で発言できないことなんかは沢山ありますが、でも他のルートから話が上がってくれることになるので私がいちいち話す必要がなくなります。
大人は自分の立場があるので言えないことが沢山あり、それが実は私自身大きなストレスです。
なのでどこかで誰かが言ってくれれば胸がすく思いがします。なのでどうぞポンコツのことは一切気にせず皆さん自由に発言してください。

情報が大きく開かれ始めたこのタイミングは斜陽にある美術の世界の光明を生む可能性があります。
この機に乗じ、美術は大きく生まれ変われるか?
そして今は皆さんが大きく変化する美術の波に乗れるか?
というチャンスだということを皆さんにはこの場でお話ししておきたいと考えています。


美術は波に乗ってみると意外に素敵な体験をさせてくれる世界です。
今の美術の世界は皆さんと距離をとっているので、皆さんに美術の本当の素晴らしさを肌感覚で実感して頂くことは残念ながらできません。
美術の世界の権力者は美術の波に乗ることが自分たちの特権なので、社会のみんなに波に乗らせたくないのです。

皆さんにとって大切な情報はいうまでもなく、私が発信しなくても時間の問題で誰かがネットに上げます。
なので伏せておくこと自体には何の意味もありません。
それに気づけばみんなが自らの持つ情報を何の抵抗もなくネットにあげるようになり、美術はスムーズにこれまでとは全く違う様相に変わります。
これまでの美術の形態は情報が1点にしか集まらない閉鎖的な形をしていました。
これが今後意味をなさないのは誰もが理解できることだと思います。
それでもまだ美術の中央にいる権力者は隠す必要のない情報を隠します。

例えば東京藝術大学の入試について。
閉鎖的な大学。
美術予備校。
これについては合格した人が詳細な情報をネットにあげればいいと思います。
不合格者でも理不尽な不合格の仕方、例えばほぼ同じような作品を制作した受験生が実技試験の制作した部屋が違ったり、年が違うだけで不合格と合格に結果が分かれてしまっているなど多くの問題を露わにすることができます。
露わにするには活字だけではダメで、実際の作品を再現して画像で証明する必要があります。
徹底的に行うべきです。

同じように、コンクール、画廊、美術館が下す恐ろしく大雑把な作品の評価。
これまでは大雑把な評価でも誰も何も言えないので権力によって実力行使できました。
でもこれからは雑な評価をネットによって暴くことで、いい加減な評価が抑止されます。
そして何より、実はほとんどが評価の仕方がわかっておらず、それでお茶を濁していても誰にもばれなかったのが、ネット上で的確で高度な評価が外部から下されることによって、いい加減な内部も本当の評価の仕方がわかり、これまでの大雑把なくだらない評価は消毒されるかのように消滅します。
そして本当に本当の正しい形になる。コンクールはひどいものになれば普通の求人広告で事務仕事として採用したアルバイトに全て採点をさせています。

それでクマビは自分を振り返って学校の立場として少しでも正しく、良い情報を生徒に発信できるか?ということを課題にしなければならないと考えています。
これからの美術予備校の価値は新しいものを次々に生み出しながら世の中に発信する力が必要です。
これまでは生徒を合格させるコツなど発見したことを隠しながら細々でも競合他社に競り勝ちながらやってきましたが、これからはそれは通用しなくなります。
それでも残るのは専門的な眼や手の仕事です。
やはりしっかりとした眼を持つ先生からしか新しい情報は生まれてきません。

生徒に少しでも良い情報を発信することが課題になり、今以上に考えることによって、これまで自分の中に収めていた、言いたくても言えなかったことの中にも、言ってもいいことが増えてきます。

ここ数年は生徒に対してどれだけの情報を発信できるかが学校のパフォーマンスとしては重要だと考えています。
そのため、クマビはその先駆けになれるように天才育成計画の中で情報を発信して行きたいと考えています。

時代の流れとともに美術予備校や絵画教室に訪れる生徒への進路相談の話の内容は変わり、特にこれからは話の内容を極端に変えていかなければならないと思います。
学校ファーストではなく、生徒ファーストへ。

生徒ファーストでものを考えて、学校運営のあり方を考えていく時に弊害になるのは従来のものの考え方です。
権力者ファースト。

従来の考え方の中には実は生徒ファーストの概念があまりありません。
これまでの論理は実は美術館、画廊、学校、先生、団体などの都合をまず第一に考えて、生徒は付いてきて当然のものといった論理を行使していました。
なので、実は美術の世界は一人の権力者を中心に権力者を囲む完全に物分かりのいい人で構成されています。

これからは必ず生徒ファーストに変わる。
これまで美術の世界で正しいと考えられていた物の見方や考え方は完全に美術館ファースト。
画廊ファースト。学校ファースト。
団体ファーストです。
これらは完全に観客ファースト。
生徒ファースト。
出品者ファーストに変わります。
そうしなければ人が寄り付かないほどインターネットに詳細な情報が上がるからです。

そして美術とデザインの世界の人間は昨今の人離れの原因が権力者ファーストにあることに、そろそろ気付くだろうと考えています。
権力者の中には権力者として愛を提供しようとする人もいますが、そもそも権力者の愛は皆んないりません。

生徒ファーストではない権威的な姿勢はインターネットに上がる情報によって消毒されるかのように消滅します。
それによってこれまで正しいと考えられていたことの中から悪いことに変わることが出てきて、これまで間違っていたと考えられていたことの中から正しいことに変わることが出てきます。

天才育成計画はこの切り替わりの序章を手助けします。
徐々に。
美術は生徒ファーストに生まれ変わることができれば本当の天才を育てることができると考えています。
今はまだ切り替わろうとすると色んな摩擦が引っかかります。
天才育成計画(=てんいく)では、この引っかかりを一つづつ取り払っていきたいと考えています。

今回沢山引っかかっていることの中で、まず最初にお話したいのは進路指導の際の如何わしさです。とてもざらざらです。


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