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みんなを豊かにできる美術とそれを阻むハザード

最初に皆さんに質問させてください。

美術とか絵とか、芸術とかアート、というものがありますが皆さんはこれらが誰のものだと思いますか?・・・。


美術や芸術は「みんな」のもの。だと私は考えています。

あ、あの皆さんの答えが正解でいいです。美術と芸術に高尚なイメージを持たれている方は多いと思うので、私の意見はそれを貶めるちょっとおこがましい感じがするかもしれません。


世の中には世界遺産とか国宝とか、すごく貴重な絵画や建築や宝石などがあります。
これらは大切にしなければならないもの、なのは言うまでもありません。

美術と芸術の世界には画家とか彫刻家などの芸術家がいて、昔の偉大な芸術家たちが、例えば建築家は宮殿のように、ものすごく巨大な建築物を作り、先人たちのお陰で今でもしっかり管理されて残っています。何千年も前に作られた彫刻とか、何百年も前に描かれた絵画があります。
あ、実在の最古の絵は3とか5とか8万年とか言われています。私はにわかに信じていませんが。

それから現代まで巨大な建築などの偉大な作品は作られ続けています。


性急な話し方をすれば芸術を大切にしなければ、ということが、皆との距離を縮める活動よりも優位に立ってしまい、大事にしようという教えが裏を返せば、皆とのけっこうな距離感を生んでしまったと考えています。

その距離の中に皆の眼が届かないスポットが空きました。

皆との間に少し闇が生まれてしまい、権力に利用してしまう人が出てきてしまい、金儲けに利用してしまう人が出てきてしまいました。

こうなれば当然皆との距離は取られますよね。と思います。


大きな美術館のような建築は素晴らしいような気がしますが実は私は見ても何にも感動しません。
私のような人間には庶民的なことしかわからないのかもしれません。
何か威圧されているような感じがして高圧的で白けてしまって嫌です。
そのため建築の欠点を私は何となく権威を感じさせてしまう所だと勝手に思っています。

現代までの長い道のりをかけて美術と芸術の世界は皆に歩み寄り、皆が鑑賞できるようにして、さらに皆が作れるようにしてきて、皆のためのものに生まれ変わろうと努力してきているように思います。
ただ、このようなことを言わなければならないのは、まだまだ、皆のための美術と芸術になれていないと、色んな所で感じてとても残念だからです。
で、急いで変わらなければスポットの一部が自然に露出して問題が起きると考えています。


今の美術や芸術はまだ皆さんと一体感があって、皆が参加して、誰でも美術の世界で自由に発言して発表していいんだって気持ちにはなれませんよね。

その証拠になるかわかりませんが私の生徒は全員私に遠慮しています。私の指導力不足です。
私ばっかりぺちゃくちゃ好き勝手なことを言っています。大人の振る舞いが出来ている生徒の中で私だけがおとなげない。

こんな空気をかえる目的もあってこの文章を書いています。空気をかえるにはものすごく長い説明が必要なのです。

ただ、やります。これが私の知っているノウハウです。


美術と芸術には今以上に、はるかに「みんな」のことを豊かにする力があると思っています。

自分のための美術。

皆がそう思えるようにするためにこの文章を書いています。

例えば何百年も前宝石は位の高い貴族とか王族でなければ手に入れることはできませんでした。
でも今はよほど高価な物でなければ皆さん少し頑張れば手にすることができますよね。

大きな彫刻や巨大な建築はさすがに今の時代も皆が自分のものを手にすることはできませんが、でも昔と大きく変わったのは、絵具が安価になったこと、動画をすぐに撮れるようになったこと。

何より情報がいつでも手に入り、発信できるようになったこと。今まで受け身だったものが広く社会に絵や言葉を駆使して表現できるようになったことです。

私が頑張らなくてもすでに変わりつつありますが、ただ私が言葉にしなければ多少時間がかかりそうなこともあるので、言葉になっていない現象を言葉にして皆がその問題を考えられるようにするために、おこがましいですが文章を作り始めました。


今すでに膨大な量の文章になっているこの文章ですが、これから書いていく文章の中では「ハザード」という言葉を使います。
様々な「ハザード」を紹介しながら文章の項目にしていきます。
例えば画廊に逆らうと作家が脅迫される「銀座で干されるハザード」、出品前にお金を渡さなければならない「上納金ハザード」幼児が絵を描きたくなくなる「冷やかしハザード」論文で好きなことを書けない「そんなこと書かれると困るんだよハザード」などです。
あ、ハザードだけで100を超えています。で、ハザードマップを作ります


私が「ハザード」という言葉で表現したいのは、美術と芸術が皆のためのものになりきるためにはたくさんの障害があり、その障害を丁寧に一つずつ取り除いていかなければならないと考えているからです。

美術の世界は多くの方々にリスペクトされて守られている世界です。そのため「問題」というネガティブなあら捜しを積極的にしていくような見方をするような人は現場に少なく、多くの問題が風のうわさ程度で風化され具体的には顕在化されていません。

私が美術と関わるようになって30年が経ちましたがこのような気持ち悪い空気感がずっと続いています。
もっとも問題なのは利権者が保守的になり美術と芸術全体が細っていること。

このままではどれだけ貴重でも弱い体質のジャンル、表現方法、作家、技法、学校など日本の守るべき皆の財産は消滅します。

問題が取り除かれれば生まれ変われる美術なので、私もいい年齢のおじさんになって来たので、どうせパッときれいさっぱり消えていく身なので、少しでも後の人たちが美術と芸術を身近に感じてもらえるように、一つ一つを丁寧に言葉にしていき皆さんに問題に気付いて頂ければと考えています。


次の項目から1つずつ「ハザード」を紹介していきますので、皆さんも気づいた問題について考えを巡らせてみて下さい。

それですべての問題が解決します。

なぜならばハザードの正体は全て「人」だからであり、そういった問題を起こしている人の全てがたとえ巨大な組織であっても弱いからです。
弱い人間や組織が皆さんの「想い」には勝てるはずがありません。

そのため皆さんも物思いにふけってみて下さい。
あ、あと美術の世界で大きな組織といっても皆さんの人数にはかないません。

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